2014年9月29日月曜日

栗のペースト。




栗のペースト、できあがりました。
秋の香りをお楽しみください。
 

2014年9月28日日曜日

栗、栗、栗。






栗の季節です。
渋皮煮、甘煮、ペースト、クリーム。
沢山の栗の皮をむく日々が続きます。
毎年大変だけど、美味しくなるのでやめられません。
秋のパン、色々揃いました。

季節の商品

2014年9月24日水曜日

忘れえぬ味。





世界一好きな場所だった、南青山の「大坊珈琲店」が惜しまれつつ閉店したのは、
昨年末のこと。
毎年、夏と冬の休みに東京へ行っていた目的は、大坊勝次さんのコーヒーを飲むため。
短い滞在中に何度もそこへ行けるように、いつも青山のホテルに泊まった。
たかがコーヒーのために新幹線に乗って東へ向かうなんてと、自分でも呆れる
けれど、そこはそれほど特別な場所だった。

客と店主が交わす言葉は、「いらっしゃいませ」、「こんにちは」、
「ごちそうさまでした」、「ありがとうございます」。
大坊さんは必ず手を止め、客の目を真っすぐ見て、静かな穏やかな調子で。
それ以下でもそれ以上でもない、38年間交わされた、言葉のやりとり。
その距離の心地よさ。

私が最後に訪れたのは昨年の夏。
いつものように階段を上り、大坊さんがおられるのを確かめてからドアを開け、
カウンターの一番奥の席へ。
そこが、大坊さんがコーヒーをいれる姿が一番良く見える私にとっての特等席。
お客さんがまばらな時間帯で、大坊さんはカウンターの中で写真集のような本
を眺めておられた。
その、何かを懐かしむようなお姿に、嫌な予感がした。
それからしばらくして、ビルの取り壊しによる閉店が決まったと知った。

閉店後、大坊さんの本が出版され、刊行記念の写真展や「さる山」でも
本が売られ、大坊さんがお客さんにコーヒーをいれておられることを知る。
猿山さん装幀の本とあれば、すぐに買い求めるはずが、躊躇した。
西に住む名も無い客の一人だった私は東京の盛り上がりに、ちょっぴり
やきもちを焼いていたのだと思う。

それでもやっぱり我慢できずに本を手に入れ、 無性に大坊珈琲が懐かしく
なった頃、 フェイスブックで知り合ったYさんが、会ったことも無い私に、
完売だった大坊さんのトークイベントのチケットを譲ってくださることになった。
そこではもちろん、大坊さんのコーヒーがいただけるのだ。

9月最初の土曜日、胸を踊らせながら新幹線へ飛び乗り、東京へ。
会場となる下北沢の本屋さんへ入ると、もうあのコーヒーの香りがした。
トークの前に飲んだ一年ぶりの大坊さんのコーヒーは、いままでで一番
まるい味がした。
こんなに深煎りでこんなに濃いのに、どうして苦くなくて、どうして
どうしてこんなに丸みを帯びた甘さなんだろうと、初めて大坊珈琲店で
感動したことを思い出しながら、味わった。
忘れえぬ味との再会。

「コーヒーを飲んでいただかないと、何も始まらないので…」とゆっくりと
話しを始める大坊さん。
「笑みが浮かぶ。それが人の表情として最も美しいと思うんです。
 コーヒーを一口含んだ時に、 その人の口元に微かな笑みのようなものが
 出るようなコーヒーを作らなければならないとずっと思っていました。
 そのためには、そんな表情のコーヒーを作らなければならないんです。
 僅かな酸味も苦みも、甘みに包まれた状態で存在しなければならない。
 深煎りでも、軽く、柔らかく、複雑だけど繊細なまるい味を追い求める
 38年間でした。」

無口だと思い込んでいた大坊勝次さんの、焙煎の話になると時折立ち上がって
熱を帯びてお話される様子を目の当たりにして、隠居生活はまだまだ似合わない
と嬉しく思った。
同時に、大坊さんのコーヒーが飲めても、青山通りの小さなビルの二階のあの
「大坊珈琲店」は もう存在しない寂しさも感じた。

昨日、猿山さんにお願いした大坊さんの珈琲豆が届いた。
大坊珈琲店での大坊さんの姿を思い浮かべながら、ゆっくりゆっくりと
丁寧に丁寧にいれたつもりだけれど、あのまるみとはほど遠い味。

それでも少しでも近づけるように、明日はもっと丁寧に生きよう。






2014年9月18日木曜日

文字のうつくしさ。




自他ともに認める、タイポグラフィーフェチです。
何処に行っても、書体に胸がときめく。
写真はフランスで出逢った美しい " issue de secours " つまり、「非常口」。
パリからエクスアンプロヴァンスへ向かうTGVの窓の、非常口。
ロダン美術館の、非常口。
そして、マレ地区の写真美術館の、非常口。

情報を伝達する機能としての文字が、風景に溶け込むように佇む。
これも、機能美と言えるかもしれない。



2014年9月16日火曜日



 「紅茶専門店 uffu店主 大西泰宏さんによる紅茶セミナー」は満席に
なりましたので、キャンセル待ちを受付中です。

秋の夜長も一杯の紅茶と共に。
 

2014年9月10日水曜日

~ 紅茶専門店 uffu店主 大西泰宏さんによる紅茶セミナーとplusのsalon de thé ~



紅茶のある風景
紅茶は、ありふれた日々のものでもあり、ささやかな贅沢をもたらしてくれる
ものでもあると思います。

一日を始めるとき、ホッと一息つく午後のひととき、美味しいパンやお菓子が
あるとき、一杯の紅茶が欠かせないという人は少なくないはず。
その一杯の紅茶を美味しくいれられるように、芦屋の紅茶専門店 uffu の店主
大西泰宏さんをお迎えして、プロのコツを教えていただきます。

紅茶にまつわるお話を交えながら、紅茶の実験室さながらのセミナーです。
美味しいストレートティーとミルクティーのいれ方も教えていただきます。
セミナーの最後は、「紅茶との組み合わせ」を味わうひととき。
ippoのパンやスコーンと、それに合わせて大西さんに選んでいただいた紅茶と
のマリアージュをお楽しみください。

紅茶のある風景が、日々の暮らしにとけ込みますようにと願いながら、
皆様のお越しをお待ちしております。

開催日: 2014年 10月 29日 水曜日
場所:  ippo-plus    map
   
■ 紅茶セミナー(予約制) AM:10:00~12:00

   参加費: 4300円( パン、スコーン付き )

紅茶セミナーのお申し込みはメールにて受付致します。
詳細は返信にてお知らせしますが、ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。
お席の確認後、十日以内のご入金をもちまして、ご予約の確定とさせていただきます。
準備の都合上、お振込頂きましてからのキャンセルは致しかねますので、ご了承くださいませ。

お申し込み・お問い合わせ先: info@ippo-plus.net


■    秋の salon de thé    PM:13:30~18:30

  午後のひととき、plusが一日限りのsalon de thé になります。
  ご予約は要りませんので、お好きな時間にお越しください。
  秋の庭と本棚、そして美味しい紅茶とお菓子を用意して、お待ちしております。
      ぜひ、紅茶のある風景でゆったりとした時間をお過ごしください。
  
  お菓子は箕面のお菓子教室 maison de nao主宰の塩谷直子さんに
  旬の紅玉を使ったりんごのタルトと、紅茶に合う焼き菓子をご用意
  いただきます。
  ippoの天然酵母のクグロフとプレーンスコーンもフロマージュブランと
  生ハチミツと共にお召し上がりいただけます。

  
  紅茶専門店 uffu  http://www.uffu.net/

      お菓子教室 maison de nao  http://www.maison-de-nao.com/
  

2014年9月7日日曜日

「 SWIMMER 」



土曜日、日帰りで東京。
三宿のSUNDAYで開催中の藤田道子新作展へ。

作家によって「紡ぎ出された」という言葉がぴったりの作品たち。
絹糸の光、線が生む陰影。
繊細で瑞々しい感性がカタチを成したよう。
帰り際、体の前で合わされた作家の小さな手からも、絹糸がすうっと伸びているような気がした。
会期は9月23日まで。

藤田道子個展「SWIMMER」
Sunday Cafe
http://www.sunday-cafe.jp/

2014年9月3日水曜日

季節のジャム。



子供の頃はあんなに苦手だったのに、大人になって大好物になった、いちじく。
「無花果」という名前も、実と葉のかたちも、もちろん味も。
甘い香りを漂わせる果実をジャムにするのは、楽しい作業。
今年は2種類作りました。
シンプルないちじくジャムと、甘酸っぱいすももと合わせた、いちじくとすももの
ジャム。
パンにたっぷり塗ったり、フロマージュブランと合わせて、どうぞ。
販売中です。




2014年9月1日月曜日

Salon de Ann 。





plusとして最初のイベント、Salon de Ann が無事終了しました。
夏の終わりの昼下がり、お天気も味方してくれました。

わらび餅、ずんだあんの白玉、3種類のおはぎを作るワークショップの後は
ゆったりと、お茶の時間。
わらび餅、 ずんだ白玉、とうもろこしのおこわ、抹茶ババロア、みたらしおはぎ。
5種類の森のお菓子を大谷哲也さんの白いお皿に盛りつけました。
ダージリンティーとの組み合わせも楽しんでいただけて、ホッとしました。

暑い中、お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。
そして森さんご夫妻、お疲れさまでした。

plusの空間で、和菓子を作り、お茶と共にいただく。
そんなひとときがご参加いただいた皆様にとって、心地よい風景であったことを
願いながら。